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【ウィッグ 抗がん剤 広島】ウィッグ業界の問題点―①何故、こんなにも高いのか―

前書き

さて、前回お伝えしたHANABUSA社長が感じたウィッグの問題点。

①なんでこんなに高いの?

②マダムっぽいのしかない

③いざ被ったら変

④切ってくれるところがない

⑤ウィッグ屋で切ってもらったけどカット下手じゃん!

このうちの「①なんでこんなに高いの?」について考察してみようと思います。

※注意※

あくまで考察です。正直、僕の個人的な邪推が含まれています。真実は違うかもしれませんので鵜呑みはお勧めしません(じゃあ書くなよって話ではあるw)

医療用ウィッグ、実際何円なん?

これに関してはマジでピンキリ。素材にもよる。

お客様から聞いた話だと、部分ウィッグで80万とか勧められたとかも聞くし。

メーカーとか、どこで買うかによって大きく異なります。

病院に置いてあるパンフレットでメジャーどころのメーカーの価格だと、人毛MIX(化繊70~80%)で25万前後。

100%人毛だと50万前後といったところか。

これがインターネットだと人毛MIXが4~7万。100%人毛が12~15万といったところか。

なんならもっと安いのもある。

価格設定を紐解いてみる

まず、根本的な品物代。これは

毛の植え方(作り方)×素材×土台(頭囲を測って作るか)

といった感じ。

それに加えて利益の回収を考えると、この品物代以外の部分のことも考える必要があるのかと思います。

大体、大手のウィッグメーカーはデパートなどの百貨店の中にお店があったりしますから、テナント(場所)代もかかるし、スタッフも何人か居るし、CMなどもやってますから。それらを考えると割増になるのも頷ける。

ネットでの販売だとテナント代も人件費も広告費もかなり下げられるでしょう。

で、ここからがポイント。(ただ、ここからが邪推の本領であり、個人的な考察が強い)

独占市場。

これは携帯会社を例に考えてほしい。どこの会社がある??

docomo、au、Softbankですね。まず、この3つがパッと出てくるはずです。

今でこそYモバイルとか、Google pixelとか比較的安い携帯が頭角を現してきましたが、昔はこの超大手の3社以外に存在を知りません。

だから必然的にこの3社から買うようになります。他の個人店で謎の携帯売っていても胡散臭くて買わないですよね??

だから高くてもこの3社のどれかで買うしかないし、

売る側も売れるから価格を下げる必要もないし、3社とも利益を出せるから下手に価格競争する必要もない。何なら他社からの乗り換えで5万円貰える!みたいなこともやってたくらいだし、それでも利益が出るような独占市場だったんでしょう。

ウィッグ業界も似た現象があると思っていて、カツラと言えば

ア〇〇〇ス、〇ー〇〇〇〇ャーとか、大手がパッと思い浮かびますよね。

ネームバリューがあることはそれだけで有利と言えます。基本的に高額なものを他のよくわからない所で買うの、不安でしょ。

結果、高くても買われるから価格を下げる必要もないし、

言葉が汚いけど、業界のメインターゲットがお金を持っているマダム層であったり、AGA治療や整形など「コンプレックスビジネスは金になる」という考えも現実的にあるだろうから、なんなら価格設定が吊り上がっているんだとも思う。

こんな感じでマーケットが限定的で、新規参入しにくく、大手が牛耳っている状態というのは、価格設定も結構、好き勝手出来ちゃうものなのかもしれない…と思いませんか??

以上が僕個人の邪推です。真実かは分かりませんが、自分にはそう見えます。

FOR AC広島でのウィッグの価格は?

100%人毛

100%人毛は長さによって変動します。カットカラー込みでボブ15万~ロング20万いかないくらいの設定です。

決して安くはないですが、髪の質もかなり良くなっているので、コストバランスはかなり良いのでは?と思っています。

「安物買いの銭失い」になるケースもあるので、100%人毛なのに一桁万円のものは要注意かと。

大手と比べると1/3~1/4以下の値段設定くらいのイメージです。

人毛MIX(約7~8割化繊)

これはデザインにもよりますが、大体、5万~7万くらいの価格設定です。

大手比較で言えば、化繊の素材(ナイロンとかアクリルとか、その他特殊素材とか)によって、

または人毛:化繊の割合によって価格の大小はあるかと思いますが、

大体これも大手では25万~35万くらいな印象。

ネットなどの数千円のウィッグは、医療用として使うには作りが適しておらず、

どちらかというとコスプレ目的やちょっとした遊び、ファッションアクセサリ的な感覚で捉えた方がよく、長く愛用する事を視野に入れない方が良いかと思います。

まとめ

結果的に、

決して安い訳ではないけど、業界内では実はかなり良心的な価格で提供している

…つもりです。

「なんでこんなに高いんや!!」というのは本当にそうで、

ただでさえ治療費が高いのに、下でも20万円台プラスでかかると考えたら、かなりの負担です。

しかし、治療を始める方は治療が始まれば2週間そこらで脱毛が始まる。タイムリミットがあるんです。

じっくり考えたり、掘り起こすように調べたりする時間なんて無いんです。

それを分かってか、病院には大手のパンフレットが溢れかえっています。

僕にはそれが、まるでそれしか選択肢がないかのように感じます。

その値段を見て、キレイで居ることを諦める人も大勢いるのではないでしょうか。

それを変えたい。新しい選択肢があることを知ってほしい。

有志の美容師がどうにかしたいと目を向け始めている事を知ってほしい。

そんな感じです。

広島県では抗がん剤治療をされる方には最大5万円のウィッグ補助金も出ますから、

かなり負担が変わりますよね。その辺の案内も準備も、可能な範囲で全てさせていただいております。

これについても近々詳しく書いてみようとは思っています。

この記事を書いた人

大田垣 成俊
大田垣 成俊
1988年生まれ広島県尾道市出身。
広島修道大学人文学部教育学専攻卒。
中高社会科教員免許取得。

大学卒業後、PROSOLに入社し、働きながら広島県理容美容専門学校の通信課程にて美容師免許を取得。
五日市店で12年の勤務を経て、アピアランスケアのリーダーとして廿日市店へ異動。
丁寧で親身なカウンセリングと、理論的な技術やアドバイスに定評があり、独自の特性を活かして、新人の技術教育やオリジナル商品開発など、多岐に渡り活躍中。