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【広島 抗がん剤 ウィッグ】 ウィッグ業界の問題点④切ってくれるところがない

前置き

美容業界から見たウィッグ業界の問題点(少なくとも自分が感じる問題点)は以下の通り。

①なんでこんなに高いの?

②マダムっぽいのしかない

③いざ被ったら変

④切ってくれるところがない

⑤ウィッグ屋で切ってもらったけどカット下手じゃん!

前回まで①②③を自分勝手に推察してみました。

今回は④について考えてましょう。

やっぱりこれも自分の想像できる程度の推察にはなります。

ウィッグのカットを取り扱うリスク

ウィッグの使用者自体が、全体の人口に対してあまり多くはないことは確かなので、

美容師にはウィッグを切る経験値そのものが少ないです。

その上で、例えば30万~50万のウィッグを持ってこられて「切ってください」と頼まれた日には、手が震えます。

切ったら伸びない。そんな高額のウィッグを切ること自体がリスクだと思いませんか?

弁償できるわけでもないし。

昔からの付き合いで、気の知れた常連顧客なら「○○さんの頼みなら力になってあげたい」とか善意での応対があるかもしれませんが、

ご新規などで50万近いウィッグを切ってほしいというのは、とてもリスクに感じるのは仕方のない事かとは思う。

素材の問題?

ウィッグには人毛以外にも人工毛という偽物の髪の毛が使われているものがあります。

人工毛といっても色々な種類があり、ナイロンやアクリル、その他の各メーカーが開発した特殊素材など。

で、ここでよく言われる一説があります。

「美容師のハサミで人工毛を切ると刃が傷むから切れない…」という説。

これに関しては実際に切っている身としては「気にはならない」というのが正直な感想。

そもそもこの説を言う人が全員、本当に人工毛を切ったことあるかは微妙じゃないですか?

臆せずいうと「失敗のリスクがある=ウィッグカットの技術や経験がない=自信と確証がない=やりたくない」という気持ちが本音だけど

でも美容師としてのプライドあるから力不足っぽく思われたくなくて「道具的にNG」といって理由を転嫁しているんだろうなとは思います。

(※もしくは美容師のハサミは大体1本10~15万くらいが普通、中には20万くらいするのもあるので、よく分からないものは切りたくないという気持ちもとてもよく分かる)

ただ以前、普通の美容師時代に依頼があってコスプレ用の青白いウィッグ(多分ポリエステル)を切ったことがありますが、その際はちょっと負荷を感じました。

けど医療用で扱っているものに関してはそんなに感じません。

しいて言うなら、カットしていると切った毛がハサミの接合部(動刃と静刃を留めるネジ部分)に入り込むことがよくあるのですが、

これが人工毛だった場合、開閉時に何とも言えないザリザリ感があって気持ち悪い感じがすることが人毛よりも多くある。くらいです笑

ただその場合はハサミを分解したり、油を刺したりして毛を掃除をすればすぐ良くなるので気にするほどでもない。

この事業を始めて2年経ちますが、砥ぎにも出さず、刃こぼれも歪みもなく、全く問題なく人毛も人工毛も同じハサミで切れていますからね…。

ぶっちゃけると美容院でウィッグを切ってくれないのは、単純なリスクヘッジという側面が強いんだと思います。

でもそれが悪いことだとは思いません。

実際、数十万のウィッグを切るときは恐怖ですよ。

ともあれ、理由がどうであれ「断られることが多い」というのは事実かと思います。