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【広島 抗がん剤 ウィッグ】 ウィッグ業界の問題点②マダムっぽいデザインが多いのは何故?

前置き

美容業界から見たウィッグ業界の問題点(少なくとも自分が感じる問題点)は以下の通り。

①なんでこんなに高いの?

②マダムっぽいのしかない

③いざ被ったら変

④切ってくれるところがない

⑤ウィッグ屋で切ってもらったけどカット下手じゃん!

前回は①を自分勝手に推察してみました。

今回は②の推察です。(※推察なので個人的な推測、考察です。事実とは異なる場合は大いにあり得ます。)

実際に患者さんの声でも「病院に置いてあるウィッグのカタログ貰って帰ったけど、良いのがない…」という声も聞きますから。

マダムっぽいデザインの理由

繰り返します。これは考察です。

一番はターゲット層の問題ですね。

FOR ACの出発点は「抗癌剤による副作用で脱毛された方」であり、

そうすると当然、そこに特化した広報、営業の戦略を取ります。

しかし、ウィッグを使う人はそういった方に限らず。

なんなら病気とか関係ない人でも、薄毛など病気とは別の理由で求める方もいます。

となってくると、幅広いターゲットで考えているウィッグメーカーは、

医療向けではなく一般向けという戦略になってしまい、

それを求めるメインの層は当然、お年を召した方に偏っていくわけです。

その結果、マダム層、シニア層のウィッグデザインが主力になってくるのではないでしょうか。

抗がん剤治療者の層とは

がんのリスクは30代から比例的に増していきます。

なので、少数ではありますが30歳くらいで治療をしてウィッグが必要って方も出てきますが、

一般的で健康な30歳はウィッグを使わないですよね?

となると、需要はやはり多い訳ではなく、そこの部分に力を入れるメリットが少なく思われているのかもしれない。

治療者の多い40~50代の方も、今頃は皆さん若いですし、美容院で働いていても希望されるデザインは結構若い女性の写真だったりするのが現実ですが、

一般向けとなるともう少し上の年代の方々がメインターゲットになってしまい、そこに受けの良いデザインになっていくのかと考えています。

デザインのアップデートが出来ていない?

某大手メーカーのカタログを見ていても、「少しデザインが古いよなぁ」と感じることがあります。

当然、ターゲットがそうだから…という理由もあるかとは思いますが、

すごーーーく邪推をすると、

お金を持っているマダム層が、高くてもウィッグを買っているから値段を下げる必要もないし、

売れ続けているものをわざわざデザイン改変する必要がないのかもしれないですね。

ネットを主戦場とするウィッグメーカー

これは意外と今っぽいデザインに寄せようとしてくれている意思を感じます。

そういった企業努力をしないと、ブランド力だけでも戦える大手メーカーに対抗できないのかもしれません。

あとはネットを主戦場としているだけあって、ネットを利用する世代はどのくらいか…を考えた場合に、

マダム、シニアより、30~50代に響くようなデザインにしておいた方が良い。そしてそのくらいの年代は流行りにも敏感だから、デザインの研究は必須…という戦略なのかもしれません。

というのが、僕の極々個人的な見解です。

実際のホームページに使われていたアイキャッチ例

ここまで言うんだから、実際、どのくらいの違いがあるかを感じてもらいましょう。笑

↓某大手メーカーの各レングス(長さ)のアイキャッチとして使われていた画像

↓ネットでの活動を主体としている某ウィッグメーカーのアイキャッチ(人気デザインランキング)画像

とまぁ、こんな感じです。このくらいスタンスが違うのです。

明らかですよね。

どちらも「メーカー名 医療用ウィッグ」と検索して簡単に辿り着く画像です。

病院に置いてあるウィッグカタログも大手のものが多く、そんな感じだから30~50代くらいでウィッグを求めている方が「ショックだった…」という声を漏らすのも、そりゃそうなるよなぁ…って思います。

どちらが良い悪いという事でもなく単純にターゲットの違いなんだと思いますし、関係者である医療現場のスタッフ、患者、美容師が、そういう実情を知らないって人がほとんどなので、どうにもなってこなかったのだと思います。

FOR AC広島としては、実際に来店いただくお客様の客層を考えていくと、後者の方が喜ばれるだろうなぁ。と想像に容易かったってだけ。

(言っておきますが、アンチやディスりたいのではなく事実ベースに基づいた業界の問題点の抽出を行っているだけのつもりです)

だから、そこから覆していかないといけないなぁ…って思っている次第です。

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この記事を書いた人

大田垣 成俊
大田垣 成俊
1988年生まれ広島県尾道市出身。
広島修道大学人文学部教育学専攻卒。
中高社会科教員免許取得。

大学卒業後、PROSOLに入社し、働きながら広島県理容美容専門学校の通信課程にて美容師免許を取得。
五日市店で12年の勤務を経て、アピアランスケアのリーダーとして廿日市店へ異動。
丁寧で親身なカウンセリングと、理論的な技術やアドバイスに定評があり、独自の特性を活かして、新人の技術教育やオリジナル商品開発など、多岐に渡り活躍中。